2013年6月7日金曜日

スラバヤの新交通システム計画

ジャカルタでは地下鉄(MRT)建設がいよいよ始まりそうだが、スラバヤでも新交通システムの導入、すなわちモノレールと路面電車の導入へ向けて動き始めた。

スラバヤに来て感じたことの一つは、320万人もの人口を抱えた大都市にもかかわらず、バスや乗合などの公共交通機関が極めて脆弱なことである。もちろん、乗合は何路線もあり、ジョヨボヨ・ターミナルというものもある。しかし、ジャカルタのビスコタ、メトロミニ、コパジャ、ミクロレットのような頻繁に走っている公共交通がほとんどない。バイクと自家用車が圧倒的である。

でも、スラバヤはもともと公共交通機関のあった街なのである。オランダ時代の1925年頃から1975年頃まで、蒸気で走る路面電車と電気で走る路面電車が走っていた。 料金は当時の額で3セン、オート三輪が25セン、タクシーが50センだったという。路面電車はバスに取って代わられた。しかし、そのバスも廃れて、本数が少なくなった。

スラバヤ市の道路延長距離は1426キロメートルで、個人所有二輪車・自動車の台数は2008年の140万9360台から2011年には699万3413台へ急増した。ところが、その一方で、バスの台数は250台から167台へ、乗合の数も5233台から4139台へと大幅に減少している。

当然、道路の渋滞は激しくなってくる。5年以内に、スラバヤの渋滞はジャカルタ並みになるという見方が強い。

そこで、スラバヤ市は、モノレールと路面電車を組み合わせたMRTを導入し、2015年に運転を開始したい意向である。両者の概要は以下の通りである。

<モノレール>(SUROTREM)
延長距離:16.7km
操車場駅:Joyoboyo
停車駅数:29
駅間距離:500-1,000m
年間予想利用客:2793万6900人
投資額:1.2兆ルピア
1車両当たりの最大乗客数:200人
車両編成:2両連結
経済的な料金:8,000-10,000ルピア
住民の支払可能額:6,000-10,000ルピア
車両数:21台

<路面電車>(BOYORAIL)
延長距離:23km
操車場駅:Kenjeren, Joyoboyo
停車駅数:23
駅間距離:500-2,000m
年間予想利用客:4371万7742人
投資額:8.5兆ルピア
1車両当たりの最大乗客数:400人
車両編成:4両連結
経済的な料金:37,000-40,000ルピア
住民の支払可能額:6,000-10,000ルピア
車両数:18台

予想されるのは、建設工事により渋滞がよりひどくなる、ということである。また、公共交通期間に乗り慣れていない人々が、果たして整然と乗り降りできるだろうか、という点も懸念材料である。

そもそも、民間が資金を出さなければ実現しない話だが、本当に資金を出す民間が出てくるのだろうか。実現できたらいいけれど、そう簡単ではないだろう。スラバヤと同時期にモノレール導入を予定していたマカッサル市は最近、計画の延期を発表している。

スラバヤのモノレールと路面電車については、友人のブログに詳しい情報が載っているので、そちらも参照して欲しい。

 スラバヤのトラム(市内電車)のお話 その1
 スラバヤのトラム(市内電車)のお話 その2
 スラバヤのトラム(市内電車)のお話 その3
 スラバヤのトラム(市内電車)のお話 その4
 スラバヤのトラム(市内電車)のお話 その5
 スラバヤにもモノレールだって!!

(参考)TEMPO, 2 Juni 2013.

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